今回の発表は色々複雑な関係もあり突然となってしまいましたが、
私自身は時間をかけて考えに考え抜いた結果、このように決断しました。
現状としては、すでに契約済の仕事や作業を伴わない権利関連の対応を除き、新規については辞退させていただいております。
具体的に申しますと、2019年11月をもって「小坂タイチ イラストレーションオフィス」を廃業し、12月から企業に在籍することとなりました。

1999年に新卒で広告代理店に入社し、約10年間アートディレクターとして勤務。
2008年に独立し、今日まで11年間個人事業主としてデザイン・イラストレーションの制作に従事してまいりました。そして2019年(令和元年)からまたディレクターとしてキャリアを重ねることとなりました。
所属する企業からはこれまで何度かお声がけいただいていたということもあり、必要とされるのであれば前向きに考えたいと思っておりました。
約20年ぶりに受ける「面接」というものに、久々に手に汗握る緊張を味わいました笑
現在の仕事や暮らしの状況など特に不満もなく、手放すのは正直惜しい気もしましたが10年後、20年後に実現したいことに向き合ったとき、その価値はあると考えました。
個人事業主廃業まであと1ヶ月もない状況で、
期待や寂しさなど複雑な心境で様々なことを思い返したりしています。
この10年間はフリーとして様々な経験ができた10年でした。
子供の頃からの夢だった「絵でメシを食う」が実現できたことは大きいです。
その中でも絵本の出版は特別な体験でした。
「夢は叶う」を体感した瞬間です。
他にも様々なメディアでの仕事や露出など、フリーランスならではの
体験だったと思います。
また、売上もありがたいことに年々増やすことができ、
自分の力が世間で評価されるということを実感することもできました。
反面、3年目の頃に売上が思うように上がらず、サラリーマン時代には感じたことの無い恐怖や不安で押しつぶされそうになった経験もありましたが、今となっては強い精神力を得るための試練だったのかと思えるようになりました。
また、売上が上がるほどに増えていく税金。
「1円の重み」をしっかり心に焼き付けることができました。
無駄にするようなことに心底腹がたつ。こんなことは自営業でないと感じなかったことかと思います。
このように10数年前の甘ちゃんサラリーマン、さらに個人事業主として社会のリアルな部分を体感した経験を経て、またサラリーマンに戻る。
個人的には攻守ともに最強なんじゃないかと思っています。
(大人の記憶を持ったままに子供時代に戻る、みたいな笑)
これらは全て家族、さらにこれまで知り合った全ての方々に支えられて乗り越えてこられたんだと思っています。
私も今年で42才。
こういったチャンスは最後かと思います。
まだまだ燃え盛るいろんな野心を心に秘めつつ、乗っかってみようと思います。
所属する企業での仕事内容は、私自身がイラストと平行に行ってきたナショナルメーカーのSPツールの企画・開発(デザイン)をディレクションしていくことですので、新しい仕事というよりは、むしろ得意分野をより動かしやすいポジションでハンドリングするということになります。
基本的にはアウトソーシングでの推進となりますので、SPツールのデザインの経験のあるデザイナーさん、プランナーさん、イラストレーターさん、3DCGデザイナーさんは是非お力をお貸しください。
また、地方創生を推進する部署などもあり、そういった分野への関与も希望を出しています。個人の活動としては特に変わることはなく、引き続きまちなか農家をはじめとした地元の応援などさせていただけたらと思っております。
ただ、ライフスタイルは大きく変わりまして、勤めに出るということになりますので
これまでのように平日の日中は自由に動けません。
それを踏まえた上でのデザインやイラストの応援は是非続けさせていただけたらと。また、働き方改革において、パラレルキャリアが認められる場合もあり、まずは本業に目一杯向き合いますが、いずれ慣れて余裕ができた暁には副業として何らかの仕組みを作っていきたいと目論んでいます。
人生はステップの積み重ね。通過点の集合体です。
僕はまだまだ知らない景色を見るための新しいステップが欲しいです。
というわけで今回改まった感じになってしまいましたが、住まいも変わらず三鷹ですし、引き続きクリエイションの業界でイラストやデザイン、ものづくりに携わっておりますので、今後とも変わらずご指導・お付き合い賜りますよう宜しくお願い致します。
令和元年10月
小坂タイチ